(1)の「イ」(1.の「イ」)

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「いちのい」

 

 読み直して気がついたことがあったらちょこちょこ追記・修正しています。
最終更新:2018/02/21

『信用取引に係る委託保証金の率の引上げ措置等に関するガイドライン』に基づくもの

 『信用取引に係る委託保証金の率の引上げ措置等に関するガイドライン』の説明はコチラ 

4つある増担保規制実施基準の中の1つである(1)の残高基準のうち、(「ロ」「ハ」ではなく)「イ」に該当するもののこと。

 「イ」は信用売り、「ロ」が信用買い、「ハ」は特殊ケース

(1)残高基準

次のいずれかに該当する場合

イ.売残高の対上場株式数比率が15%以上で、かつ、売残高の対買残高比率が70%以上である場合

ロ.買残高の対上場株式数比率が30%以上で、かつ、3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)である場合

ハ.当取引所が「信用取引残高が継続的に増加している銘柄」として公表した日の翌月の応当日以降において、売残高の対上場株式数比率が15%以上又は買残高の対上場株式数比率が30%以上である場合

引用元:日本取引所グループ(東京証券取引所)

 

増し担になる銘柄の中では【(2)の「ロ」】についで堂々2番目の位置を占めている。とは言っても149件中16件と「10.7%」の割合でしかないが・・・。

そのため増し担になる条件は【(2)の「ロ」】の内容しか知らない、しかも「移動平均との乖離だけ」という認識の投資家がけっこう多く、【(1)の「イ」】で増し担になった時は、「えっ、何で?」とか「移動平均との乖離はOKのはずなのに」と、一部の投資家の間で動揺が走ることがある。

実施基準の内容をよく知らない投資家がこれを特例基準と勘違いして、「東証がついに伝家の宝刀を抜いた!」と掲示板に書き込んだりするとかしないとか。

ただし【(1)の「イ」】の場合は、ある程度信用取引に慣れた熟練投資家の指摘が入るので誤解を引きずることはあまりない。

(2)の「ロ」】と違って、第一次措置第二次措置第三次措置第四次措置とでは内容に違いがあり、措置が進むごとに残高の数値基準がより大きくなる。※後述

それもあって第二次措置以降でこの基準が適用され増担の規制が強化されるということは滅多にない。

 

『「日々公表銘柄」の指定等に関するガイドライン』に基づくもの

 『「日々公表銘柄」の指定等に関するガイドライン』の説明は コチラ

4つある日々公表銘柄の指定基準の中の1つである(1)の残高基準のうち、(「ロ」ではなく)「イ」に該当するもののこと。

 「イ」は信用売り、「ロ」が信用買い、「ハ」は無い

1.残高基準

次のいずれかに該当する場合

イ.売残高の対上場株式数比率が10%以上で、かつ、売残高の対買残高比率が60%以上である場合

ロ.買残高の対上場株式数比率が20%以上である場合

引用元:日本取引所グループ(東京証券取引所)

 

日々公表銘柄は制度上増担保規制の前段階のため、数値基準は増担保規制よりも緩くなっている。※後述

ちなみにましたんワールド内では、増担保規制の場合を【(1)の「イ」】と表記し、日々公表銘柄の場合は【1.の「イ」】としている。はたしてどれだけの人がこの事実に気づいているだろうか・・・。

 

(1)の「イ」の特徴

  • 貸借銘柄のみが対象
  • 下げ相場ではなく上げ相場でなることも多い
  • 売り禁とほぼ同じタイミングでなることが多い
  • 日々公表銘柄指定からの「一発増し担」になる可能性あり
  • 第二次措置以降ではなりにくい

 

貸借銘柄のみが対象

一番大きな特徴は、実質的に貸借銘柄(制度信用の売りができる銘柄)しか対象にならないことである。

全銘柄に対する貸借銘柄自体の割合が少ないので、増担保規制の中での割合が少ないのもある意味当然の帰結となる。

 

下げ相場ではなく上げ相場でなることも多い

これも【(1)の「イ」】の際立った特徴の1つである。

他の基準(特殊ケースの【(1)の「ハ」】は除く)では、必要条件の1つとして25日移動平均株価との乖離率が設定されているが、なぜか【(1)の「イ」】だけはそれが無い。

【(2)の「イ」】(売り)に対する【(2)の「ロ」】(買い)のように、本来【(1)の「イ」】(売り)は【(1)の「ロ」】(買い)と対称を成しているはずだ。

しかし【(1)の「ロ」】が25日移動平均株価との乖離を必須としているのに対し【(1)の「イ」】にはその要件が無い。つまりこれは「株価が下がっていなくても増担保規制が発動される可能性がある」ことを意味する。

投機の過熱という観点で言えば、本来なら信用取引の「売り」が増えるのは下げ相場であるはずだが、普段から売り銘柄の候補として検討されやすい貸借銘柄の特性上、急伸した相場で目先の下落を狙った売り玉が一気に群がる局面が現れる。

これが上昇相場時に【(1)の「イ」】になる環境であり、実際ましたんワールドが誕生してからはこのタイプのものしかまだ現れていない。

上昇相場であるため【(2)の「ロ」】を同時に満たすこともある。

元々株式相場は売りと買いの「非対称性」が存在するが、制度信用取引の貸借銘柄の数の上でも存在し、また増担保規制の該当条件においてもそれは確実に存在している。

 

売り禁とほぼ同じタイミングでなることが多い

日本証券金融の規制である「売り禁」とほぼ同じタイミングで増担保規制になることがよくある。

と言うよりも、どちらかが先に規制されると新規の売りが入りにくいのでもう片方の規制にはなりにくい。

これは売り禁の規制発動の条件の1つが、信用取引の売り残と買い残の需給関係に拠っていることを考えるとある意味自然なことである。

同じタイミングで規制が掛かることによって両者を混同してしまっている投資家がけっこういる。「信用取引」「規制」という共通項があるので間違えやすい側面はあるものの、まったく規制の内容が違うので分からないことはきちんと調べる習慣をつけたい。

 

日々公表銘柄指定からの「一発増し担」になる可能性あり

段階的に進む【(2)の「ロ」】や【(1)の「ロ」】と違い、その日一日だけの数値で決定することから、日々公表銘柄に指定されても予兆に気づきにくいケースが多い。ある程度細かくデータを見ていれば意識付けをしておくことは可能だが、他の銘柄にうつつを抜かしているとそれも期待できないのが現実である。

「一発増し担」がいかに頻繁に起きるかは、『ましたんランキング』増担保規制発表日「最短1位」から見て取れる。

ちなみに【(1)の「イ」】の要件となっているのは信用取引の売残高なので、(規制発表となる)当日の値動きは元々関係が無い。しかも信用取引の売残高は「前営業日」の数値なので、当日の信用取引の状況もまったく関係が無い。

つまり、日証金の速報などで前日の信用売り残が急激に増えて【(1)の「イ」】になりそうな気配を感じたので、増担保規制を回避するために当日は信用買いをせずに現物の買いにしたり、あるいは信用の買いポジションを現引きしたとしても、増担保規制の判定には何の影響も与えないということを意味するので注意が必要である。

 

第二次措置以降ではなりにくい

上述したように措置が進むごとに残高の数値基準がより大きくなるため、既に規制が入って新規の売りが入りにくい(しかも売り禁ならそもそも売れない!)ので第二次措置以降で【(1)の「イ」】の条件に該当することは稀である。というよりましたんワールドが誕生してからは一度も無い。

信用取引の売り残高の数値基準は以下の通り。

  対上場株式数比率 対買残高比率
日々公表 10%以上 60%以上
増担保規制第一次 15%以上 70%以上
増担保規制第二次 20%以上 80%以上
増担保規制第三次 25%以上 90%以上
増担保規制第四次 30%以上 100%以上

上記2つ以外にも、売残高が前の規制措置の実施基準該当日における売残高と比べて上場株式数の「2.5%」以上増加している必要があるのでハードルはかなり高い。

 

ましたんワールドのデータを実戦に活かす!

『規制空売りの教科書』(←関連記事参照)

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