機能するライン

増担保規制機能するラインアイキャッチ

 

「きのうするらいん」

 

 読み直して気がついたことがあったらちょこちょこ追記・修正しています。
最終更新:2018/02/01

デイトレードにおいて、サポートラインやレジスタンスラインとして「比較的機能するライン

一般的な名称ではなく、管理人が勝手につけた名前。元々管理人のブログ内で2017年6月より『機能するライン』シリーズとして掲載を開始。2018年からは「fx-on」の『投資ナビ+』に舞台を移し、「ましたんワールドまるてん」が筆を取って連載をしている。

取引所は増担保規制を実施または解除するにあたりガイドラインに従って銘柄を選定しているが、同時に規制の実施(解除)を判断する株価についてもガイドラインに拠っている。

このことは、ある特定の日(増し担リーチ日、増し担解除リーチ日)において、ある特定の株価(判定値)に対して非常に重要な機能を持たせることを意味している。

 

増担保規制の影響

増担保規制によって生じる影響については下記の各統計データが参考になる。

『増担保規制解除5日後』は直接的な影響が小さいと思われるのでリストには載せていない。 

詳しい説明はこの場では控えるが、一番影響があり、かつ信頼性が高いのは株価の上下ではなく出来高の増減である。出来高は流動性に直結するので、投資対象銘柄選別の判断基準に出来高を採用している投資(投機)家が存在するほど重要な意味を持っている。

 

機能するラインの有効性

計算から導かれる」他のテクニカルラインはそれを信じる人がいて初めて機能するが、このラインは信じようが信じまいがこの株価で増担保規制が実施(解除)されるので、ある一定数以上の人間は常にこの株価(判定値)に注目し、また実際にこの株価(判定値)に基づいて売買を行っている。

  • 「増し担になるんだったら人気離散で調整入りの可能性があるので売っておいた方がいいな」
  • 「空売りしたけど増し担を回避するならこれ以上は持ってても旨みがないから仕切ろう」
  • 「増し担解除期待で買ったら上がりすぎちゃった。これじゃあ解除できなくなるから手仕舞おう」
  • 「ここより下なら増し担解除になるから買っとこうか」等々

 

そして判定値付近で反発する値動きを見た(判定値の存在を知らない)他の人間もその値位置を意識し始めることになり、結果として機能するラインを形成することにつながっていく。

また判定値だけでなく、判定値の近くに直近の意識されやすい株価(例:前日の高値・安値等)があれば、より多くの人間がその価格帯での売買を試すことになり、相乗効果でより強く機能するラインの形成を後押しする。

 

機能するラインの算出方法

機能するラインの基になる判定値は、実施基準(2)の信用取引売買比率基準と、解除基準(2)の株価基準から計算される。

信用取引売買比率基準

3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上

出典:日本取引所グループ(東京証券取引所)

 

株価基準

5営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が15%未満

出典:日本取引所グループ(東京証券取引所)

 

25日移動平均線との乖離率からの逆算で導き出され、増し担リーチ日にあっては『ましたん注意報』で、増し担解除リーチ日にあっては『ましたん解除予報』で銘柄とともに記載されている。

『ましたん銘柄』のページで、増し担解除リーチ以外のすべての銘柄についても日々確認できる。

 

機能するラインの対象銘柄と対象日

機能するラインが有効に機能するのは、その日判定値以上で引けると増担保規制の実施が公表される確率が高い増し担リーチ銘柄と、その日判定値以下で引けると増担保規制の解除が「ほぼ」決定の増し担解除リーチ銘柄の2つだけである。

増し担解除リーチ銘柄においては、早めの段階で規制解除を意識しポジションを取り始める投資(投機)家層が多いように見受けられる。そのためリーチ前の日においても機能することがたまにある。日々の乖離率を追っていると意識しているかどうかがある程度わかり、たまに長老がTwitterでつぶやいている。

増し担リーチ銘柄においては、(リーチ日よりも前の日も含めて)「操縦者(または運転手と呼ばれる大口の投資家)が規制を回避するために株価を判定値より下に抑えている」という表現を掲示板などでたまに見かけるが真偽は定かではない。だが可能性としては十分にありえるし、「大口」単独ではなくても、「小口」が多数集まった「結果大口」の可能性もある。

たまに、本当は増し担リーチ銘柄では無いけれども、増し担リーチと勘違いされている銘柄において機能することもある。ただしこれは結果として機能しただけであって、元々機能する理論的根拠を持っていないので、他の(計算で求められる)テクニカルラインと同じように取扱いには注意を要する。

 

機能するラインの注意点

  1. 機能する日を間違えない
  2. 必ず止まるわけではない

 

①機能する日を間違えない

上述のように、機能する日は増し担リーチ日と増し担解除リーチ日に限られる。それ以外の日においては、機能するかどうかについて根拠は無い。完全に他の参加者の意思に委ねられている。

また機能するのは「その日1日限り」である。その価格に意味があるのはリーチ日であるその日だけであり、他の日にとっては何の意味も無い。判定値付近で大きな出来高での商いをこなしていたら、後々でも影響を及ぼすことがあるが、それはあくまでも「出来高」を伴ったからであり、元々計算で出した判定値とは関係がないことに注意。

 

必ず止まるわけではない

一番初めに記したように、サポートラインやレジスタンスラインとして「比較的機能するラインではあるが絶対ではない。一気に抜いていくこともたまにある。

最近のケースでは、『フジタコーポレーション 2018/01/19』で突き抜けて上伸していった。

ただしその後で判定値付近まで落ちてきているのは偶然か!?

 

機能するラインの弱点

機能する対象銘柄と対象日が限定されるため、他のテクニカルラインのようにいつでもどの銘柄にも使えるわけではない。機会が少ない

また、せっかく対象銘柄となり対象日となっても、当日の値動きが全然違う価格帯に終始してしまうこともある。

 

本当に機能するのか?

理論的根拠はあるので機能する、少なくとも「比較的」機能すると思われるが、実際に検証してみないことには確かなことが言えないのではないか?

ということで始めたのが『機能するライン』シリーズ!

2017年6月~12月:管理人ブログの『機能するライン』
2018年1月~:「fx-on」の『投資ナビ+』にて好評(?)連載中!

 

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