増担保規制になるとどうなるのか?
「増し担は、取引所の値段を下げるという意思表示。だから暴落する!」と言う人がいる。その人はこんなチャートを思い描いているのかもしれない。
一方で「増し担は大相場になるには避けて通れない勲章みたいなものだ!」と豪語する人もいる。その人の頭の中にはこんなチャートがあるのだろう。
どちらの言ってることが正しいのだろうか?
上げ下げの観点から言えばどちらも否定できない。
というよりどちらもあり得ると言った方が正確か。そのような銘柄は『ましたんランキング』を見ればゴロゴロ転がっている。
増し担をキッカケとして調整に入り下げ続ける銘柄もあるし、本当に強い銘柄というものは増し担になろうがなるまいが買われていくものだ。
ちなみに言葉を厳密に解釈すると両方間違っている。
取引所は「値段を下げたい」わけではない。「株価が急落して大損する投資家の発生をできるだけ防ぎたい」だけだ。本当に値段を下げたいのなら、新規だけでなく既存の建玉にも規制を掛けるはず。そうすれば保証金不足をキッカケとして「手仕舞い売り→追証→投げ売り」のスパイラルになりやすくなる。
しかしそれはしない。解除基準も移動平均との「上方」乖離で済ませているくらいだ。本気で下げたいなら移動平均以下、いや乖離など生ぬるいものでなく下落率を設定すればいい。でもそんなことはしない。
大相場になるには増し担は避けて通れないのか? 絶対に増し担になるのか?
そんなこともないのはちょっと調べればすぐ分かる。
「大相場」の定義にもよるが、増し担になってない銘柄はいくらでもある。増し担にならずに日々公表を解除されて、再度日々公表銘柄に指定された時に前より株価が上昇しているものもけっこうある。
そもそも(数は少ないが)信用取引ができない銘柄は増し担になりようがない!
前置きが長くなってしまった。
あーだこーだ言うよりも、実際に増し担になったら株価はどうなるのか、データを見た方が正確だ。
そしてその結果は既に分かっている!
『増担保規制実施5日後の値位置 2016/01~2016/12』をもう一度確認してもらいたい。
5営業日後 | 回数 | 平均値 |
---|---|---|
プラス | 25 | +12.70% |
マイナス | 107 | △15.40% |
同値 | 0 | 0% |
全体 | 132 | △10.08% |
基本的にはこれがすべてを物語っている。2016年は全体としてトレンドが出てない1年だったので、統計データの収集には比較的理想的な環境だったと言える。
「じゃあ増し担になったら機械的に売ってしまえば大儲けできるのか!?」
相場はそんなに単純ではない。統計データは継続的に見てこそ意味を成す。
『勇者』は既に知っているが、株式市場が明確に上昇トレンドを描いた2017年はどうだったのか?
『増担保規制実施5日後の値位置 2017/01~2017/12』
結果はこうだ。
5営業日後 | 回数 | 平均値 |
---|---|---|
プラス | 42 | +15.98% |
マイナス | 106 | △9.82% |
同値 | 1 | 0% |
全体 | 149 | △2.48% |
数値的には売り有利と言えるが、2016年と比べると小ぶりになった感は否めない。
実戦だと、2016年の感覚で仕掛けているとポジションサイジングや資金管理が恣意的になって損失で終わる可能性も大いにある。
「増し担でも下がらない」というより「増し担期間中は株式市場全体のトレンドの影響を受けやすい」のだが、時間がないので詳しい説明は省く。なかなか結論にたどり着けないので。
増し担の影響を計測するのに「5営業日」と期間を揃えることは大事だが、では「増担保規制期間中」で揃えるとどうなるのか?
それは・・・。
「最後の勇者」以外でここからの内容を知りたい人は、期間限定(~2018年5月6日18時)でコチラから有料で読むことができます。
これ以降に、2016年・2017年の増担保規制期間の統計データと、それを元にした仕掛けと手仕舞いの考え方、2016年のすべての増し担リーチ銘柄のその投資法の騰落率を載せています。日付も記載してあるので、実際に自分が使用している株価ソフトでデータを検証することが可能です。
2018年5月6日までに下記アイデアも公開する予定です。間に合うか!?